第一回日韓ジョイントルーメン研究会(ジョイントルーメンシンポジウム)
"Present and Future of Rumen Research"
1997年10月2〜4日 三重県志摩郡阿児町 賢島研修センター「プラージ」

(/English)


趣旨
 反すう家畜(ウシ・ヒツジ・ヤギ等)は人類にもっとも密接な家畜としての長い歴史をもち、その食性の違い(草食)から、将来人類との食料競合におちいる心配のない唯一の家畜群である。かれらは第一胃(ルーメン)とよばれる巨大な前胃に膨大な数の微生物を宿し、その微生物の力をかりて本来自らが消化しえない繊維質を分解しエネルギー源に転化させたり、アンモニアなどを素材にタンパク質を合成させることで、家畜自身の栄養を営んでいる。この特有の消化生理機能を最大限に発揮させ、効率的な反すう家畜生産をおこなうには、ルーメン内に共生する微生物の遺伝、生理、生態について明らかにするとともに、それらと宿主家畜栄養との関連を考察していく必要がある。
 ルーメン研究会はこの趣旨のもとに、1965年に発足した小集会である(会員数約100名、1997年1月現在)。ただし、国際的評価をうけている多数の日本人研究者が構成員となっており、以下にしめすように、つねに反すう動物研究の分野をリードしてきているとともに、インターネット上でのHome Pageの開設など先端の情報交換様式を取り入れ、さらなる活性化をはかっている。
 本会は年に2回の定例集会(春はシンポジウム、秋は研究発表会)を通じて反すう動物とルーメン研究の進展に貢献している他、下にあげるような積極的な学術活動をおこなっている。まず、1985年に反すう家畜およびルーメンの栄養生理・生態学の進展について「ルーメンの世界」にまとめ、学術書ならびに教科書として名声を得た(現在改訂版を企画中)。また1989年には国際反すう動物生理学会議サテライト会議(箱根)を主催し、その内容は製本され(The Rumen Ecosystem, Springer)、内外に高く評価された。さらに1996年にはアジア・オセアニア畜産学会議サテライト会議(京都)を栄養生理研究会と共催し、成功に導いた。その内容についても現在製本中である。
 今回の日韓ジョイント集会は、近隣に位置し、畜産風土にも共通するところをもつ両国のルーメン研究者が定期的に集い、最新の研究情報を交換することを第一の目的としている。今回は日本・韓国双方のルーメン研究の進展状況を報告しあい、問題点の明確化、解決法、今後の方向性や共同研究の可能性などに焦点をあてる。オブザーバーとして欧州の著名なルーメン研究者をまねき、欧米での研究事情の紹介はもちろんのこと、本集会への建設的なコメントをもらう。将来的には新技術習得のためのワークショップ的な集いを企画していきたい。一方、双方とも英語を第2言語としており、それを通しての発表・討論能力を磨く機会となる(とくに若手研究者にとって)ことを、期待している。これまではこの種の機会は大きな国際学会のみであり、本試みは英語討論の研鑽をつむ場として絶好のものと思われる。なおこの集会は原則的に2年おきに日韓交互で開催するものとする。

期日と会場
 1997年10月2〜4日 三重県志摩郡阿児町神明字寺川原764-165 賢島研修センター「プラージ」
 (tel/fax:05994-3-2300) 近鉄鳥羽線終着・賢島駅で下車徒歩15分
 賢島まで:上本町(大阪)から約2時間30分、名古屋から約2時間(いずれも直行特急利用)

運営委員
小野寺良次(宮崎大学)
J.K.Ha(ソウル大学) 
星野貞夫 (三重大学)
板橋久雄(東京農工大) 
大宮邦雄 (三重大学) 
後藤正和 (三重大学)
牛田一成 (京都府立大)
小林泰男 (三重大学)
苅田修一 (三重大学)

登録・宿泊料と支払
 賢島研修センター「プラージ」にて2泊分と会期中の食事(5食、バンケット)すべて込み。参加者は、\20,000をクレジットカード(VISA or MASTER)にて1997年7月31日までに前納する(日本国内からの参加者はかならず銀行振込で願います。振込先:三重銀行三重大学前支店(普通口座232251)ジョイントルーメンシンポジウム。キャンセルは1997年9月18日までに限りみとめる。

使用言語
英語

Title/Abstractサブミッション
 Titleについては1997年6月30日までに、Abstractは1997年7月31日までに別紙様式にしたがって作成し、上の問い合わせ先に送付する。

Proceedingの刊行
 ルーメン研究会報vol.8(NO.2)に全内容を掲載する。

第一回日韓ジョイントルーメン研究会スケジュール(於 賢島プラージ)
一日目(10月2日)

15:00 登録

開会の辞
17:00
星野貞夫(三重大学生物資源学部)

基調講演
17:10
日本のルーメン研究の進展
小野寺 良次(宮崎大学農学部)
17:40
韓国のルーメン研究の進展
J.K.Ha (Seoul National University)
18:10
ヨーロッパでのルーメン研究者の集い
R.J.Wallace (Rowett Research Institute, UK)

18:40-20:00 夕食

20:00
ルーメンにおける繊維分解とメタン生産の制御
牛田一成(京都府立大農学部)
20:30
ルーメンにおける窒素利用の最適化
W.J.Maeng (Kon-Kuk University)
21:00
反すう家畜生産の分子生物学
Y.J.Choi (Seoul National University)

21:30 一日目終了

二日目(10月3日)

8:00 朝食

研究発表

9:00 研究発表

10:45 休憩

11:00 研究発表

13:00 昼食

14:00 研究発表

16:30 休憩

16:45 研究発表

18:30 夕食(バンケット)

三日目(10月4日)

8:00 朝食

ミニワークショップ
9:00
”ルーメン内繊維消化のマニピュレーション”植物細胞構造の観点から(後藤正和、三重大学)およびルーメン微生物学の観点から(大宮邦雄、同)

閉会の辞
10:00
小野寺 良次(宮崎大学農学部)

閉会後、希望者のみエクスカーションを予定(和田金肉牛肥育場、三重大学遺伝子実験施設等)

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